安全に点滴を行うために

医療行為の一つである点滴は、比較的様々なシーンで行われる業務です。しかし、点滴管理を怠っていると、ルートトラブルや急速滴下などの事故につながるので、絶対に油断してはいけません。患者に苦痛を与えず、いかに安全に点滴を行えるかは、看護師の管理能力に左右されます。そこで、ここでは点滴管理で見落としがちな注意点について話をします。

まず点滴は、刺入時に油断しないことです。集中せずに行ってしまうと、血管が逃げてしまったり、深く差し過ぎて針が血管を貫通してしまい、思わぬトラブルを招くことがあります。太い血管が浮き出ていて、比較的やりやいと感じるときや、夜勤や連続勤務で疲れているときほど、集中して行うことがポイントです。次に、一旦点滴を始めたら、終了まで放置せずに定期的に確認や刺入部の観察、滴下量の調整をチェックすることです。業務の都合上、何度も確認が出来ない場合もありますが、滴下量の過不足や点滴漏れによる刺入部の腫脹などを防ぐためにも、確認は欠かせません。タイマーやメモを活用して忘れずに確認業務をする習慣を身につけましょう。

そして、点滴終了の合図を患者任せにしないことです。「終了したら伝えてください」などと頼むことがよくあると思いますが、患者の中には点滴が終わると自分で針を抜いてしまう人もいます。多忙の時でも「定期的に確認に来ますが、もしも様子がおかしくなったり、終了してしまいそうなら呼んで頂けると大変助かります」という感じでお願いするのが良いでしょう。どこの医療機関に勤めていても、看護師が点滴業務を行う機会は頻繁にあるので、安易に考えないようにすることが大切です。